とかち鹿追ジオパーク Tokachi Shikaoi Geopark

掘り下げると面白い 鹿追的ジオな知識集

宝石のような雪「しもざらめ」 澤田結基(地球環境科学 博士)

 

 冬になると一面が雪景色になる北海道ですが、雪の深さは場所によってかなり違います。内陸部にある鹿追町の雪は薄く、ふつうの年には50cmくらい。このくらい雪が薄いと、不思議な雪の結晶がつくられます。それは「しもざらめ雪」。六角形の雪とは違い、まるで磨いた宝石のような四角い形が特徴です。この雪は、はじめから四角い形ではありません。積もった雪が、厳しい寒さにさらされることで、少しずつ成長することでつくられます。つくられる条件となるのが、薄く積もった雪です。

 

雪の表面は冷たい外気にさらされますが、雪の底の温度は地熱の影響でだいたい0℃になります。表面と底の温度差が大きいほど、また雪が薄いほど、雪の隙間にたくさんの水蒸気が発生します。この水蒸気が、雪の粒の周りで少しずつ「しも」をつくって成長したのが「しもざらめ雪」です。冬なら、鹿追ジオパークのどこの雪を掘っても、スコップからさらさらと滑り落ちる大きな雪の層がつくられます。そっと手に乗せて観察すると、きらきらと輝く四角い雪に気がつくでしょう。

 

 

最終氷期の寒さがつくった地層 澤田結基(地球環境科学 博士)

 

 鹿追町内の道路を走っていると、しばしば農地改良の工事現場を見かけます。工事現場には、いつもは見ることができない地層が表われます。

そこを見てみると、普通は水平な縞模様があるはずの地層が波打っている様子が観察できます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

               写真 東瓜幕の国道工事現場に表れた地層。

                  色の違う火山灰層が変形して波のような模様ができています。

 

 この曲がった地層は、いわゆる褶曲(しゅうきょく:プレートの沈み込みなどで生じる大きな力でねじ曲がった地層の構造)ではなく、「インボリューション」と呼ばれています。約1万年前まで続いた最終氷期、今よりもずっと深くまで土が凍った時につくられました。

 

 氷期は約10万年周期で訪れ、最後の氷期である最終氷期は約8万~1万年前まで続きました。その期間の中で最も寒かったのは約1万8000年前。北海道の冬は現在のシベリア並の寒さでした。植物の花粉を調べると、東京がちょうど今の北海道のような植物に覆われていた時代です。この時代の十勝平野は、ほぼ全域が永久凍土帯に入り、針葉樹林やツンドラに覆われていたと考えられています。

 

 永久凍土地域では、冬と夏で地面の状態が全く変わります。冬は地面から下がガチガチに凍結しますが、夏になると地面から深さ1~2mくらいまでが融解します。深いところにある凍結層が水を通さないため、夏に融けた地層は水をたっぷり含み、やわらかくなります。

 

このような凍結と融解を繰り返すうちに、地層の重い部分が沈んだり、軽い部分が浮かび上がるなどの動きが起こり、地層が変形すると考えられています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                写真 シベリア内陸部・ヤクーツク郊外で見つけた曲がった地層。

                   地面の盛り上がりの下に、黒い土が潜り込んでいます。

 

 最終氷期の寒冷な気候がつくりだした地層の模様「インボリューション」は、鹿追町内のどこでも、地下1~3mくらいの深さに埋まっている可能性があります。特によく見つかるのは、瓜幕周辺です。もし見つけたら、ぜひジオパーク事務局に教えてください。

また見学の際には、工事や農作業の妨げになりますので、道路からでないようお願いします。

 

とかち鹿追ジオパーク ジオパークビジターセンター

住 所 北海道河東郡鹿追町瓜幕西29線28 地図

電 話 0156-67-2089