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とかち鹿追ジオパーク テーマ3

生命を育む鹿追の自然と大地

とかち鹿追ジオパークのエリアには、山岳部に残る手つかずの自然環境と、
平野部の開拓された畑作・酪農地帯に多くの生命が息づいています。

独自の自然環境が育む生命

氷期の生き残り「エゾナキウサギ」

エゾナキウサギは、最終氷期にユーラシア大陸と北海道が陸続きだった頃、マンモスゾウなどと同じように大陸から渡ってきた生き物です。

エゾナキウサギは、岩のゴロゴロとした地形をすみかにし、暑いところが苦手です。然別湖周辺には、岩のゴロゴロとした地形と、夏でも冷たい風を吹き出す風穴があり、ナキウサギにはピッタリの自然環境が残されています。

ナキウサギの解説 >>
ナキウサギ 拡大画像

然別湖の固有種「ミヤベイワナ」

ミヤベイワナは然別湖固有の魚です。元はオショロコマとして川で暮らしていましたが、火山活動で川がせき止められてしまい、川虫が少ない湖で生き残るために独自の進化を遂げました。

然別湖の北部水域と流入するヤンベツ川は、ミヤベイワナの生息地として北海道の天然記念物に指定されています。

ミヤベイワナの解説 >>
婚姻色のミヤベイワナ

他にも鹿追には沢山の野生動物が生息しています。身近に感じる動物、テレビの中でしか見たことないような動物さまざまです。

キタキツネ、エゾヒグマ、エゾシカなどの大型動物、クマゲラなどの鳥類、エゾシマリス、エゾリスなどの小動物、あげだしたらキリがないくらいです。なかなか、姿を見かけない動物もいますが、登山やトレッキング、散歩などで彼らがそこに居た痕跡を見ることがあります。

エゾシカ
クマゲラ
エゾモモンガ

火山灰大地が育む生命

火山灰を母材とし、植物が腐ったものが混ざってできるのが「黒ボク土(くろぼくど)」黒くホクホクしているのが名前の由来です。

特徴は、柔らかく耕しやすく、保水性や透水性に優れているところで、鹿追の黒ボク土は支笏湖や恵庭岳、樽前山などから飛んできた火山灰が積もってできたものです。

日本全体の畑でみると、黒ボク土の割合は約47%ですが、世界的にみると1%未満で、実はとても希少な土質なんです。火山大国日本ならではの土壌と言えます。

黒ボク土

黒ボク土は火山灰が主な母材ですから、火山の風下に広がっている土壌です。

畑の作物で感じる季節

鹿追町産の農産物はたくさんありますが、じゃがいも・小麦・豆類・てん菜(ビート)の畑作4品が主要作物として作られ、それぞれの作物の生育具合で季節を感じます。

耕した真っ黒な土の畑から湯気があがるのを見て春を感じ、白やピンクのじゃがいもの花やてん菜の葉の緑に夏を感じ、刈り取られた豆で作られるにお積みに秋を感じ、作物の収穫が終わった後の畑から冬を感じ、大地の恵みはお腹も目も楽しませてくれます。

春の土から上がる湯気
夏のジャガイモの花
秋のにお積み

溶岩ドームが崩壊してできた丘の牧草地

火山体が地震や噴火などにより大規模に崩れ落ちる現象を山体崩壊(さんたいほうかい)と言います。山体崩壊は過去に然別火山群で複数回発生したことが分かっており、崩壊時に流れ出た岩などが東瓜幕~士幌の一部にモコモコとした小さな丘をつくりました。(流山地形)

現在、流れ山地形の一部は牧草地になっており、若い乳牛が丘や斜面をのんびりと登ったり休んだりしています。

その牛たちの牛乳から作られる乳製品やソフトクリームはまさに大地からの贈り物です。

牛の放牧地